2013年10月10日

自炊代行は違法〜東京地裁平成25年9月30日

 所有者の代わりに紙の本を電子化するサービス,いわゆる「自炊」の代行は著作権侵害に当たるとして,代行業者に損害賠償などを命じる判決がでた。
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20131001115316.pdf

 一番の争点となったのは,複製の主体が,本の所有者なのか,代行業者なのかである。
 本の所有者が主体として複製することは「私的利用」として合法である。一方で,代行業者が主体として複製することは,私的利用ではないので著作権侵害として違法になる。

判決では,
「本件における複製は,書籍を電子ファイル化するという点に特色があり,電子ファイル化の作業が複製における枢要な行為というべきであるところ,その枢要な行為をしているのは,法人被告らであって,利用者ではない。」
と端的に指摘し,複製の主体は自炊代行業者であるとした。
 よって,自炊代行は違法であると判断されたのである。
 
 自炊は合法なのに,自炊代行は違法となるのは直観としてピンとこない。
 しかも,本を裁断して電子化を可能としても,本は売れなくなることはないであろうし,むしろ売れるようになるかもしれないと思うと釈然としないものがある。

 しかし,最高裁は,ロクラクU事件において,ユーザーが家で子機を操作して,テレビ番組を録画する場合にも,業者が管理している親機に自動的に保存され,ネットを経由して配信されている場合において,複製の主体は業者であるとしたのである。
 http://uchida-houritsu.sblo.jp/article/43154433.html 
 その判例からすれば自炊代行において,代行業者が複製の主体とされるのは,妥当性はともかくとして,自然の帰結ではあろう。
 
 本件の代行業者は,自炊代行に反対する作家122名の作品について,「利用者の依頼があってもスキャン事業を行うことがない旨回答」,つまりオプトアウトすると述べていた。
 にもかかわらず,その後,それらの作家の作品のスキャンを依頼され,これを行ったようである。
 その態度をみて,裁判所が業者を悪質だと判断した可能性はある。
 しかし,判決の雰囲気からして,きちんとオプトアウトしていたとしても結論は変わらなかったのであろう。

 
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posted by 内田清隆 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 知的財産法
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