2011年02月03日

複製の主体は総合的に観察して決めろ!?−「ロクラクU」事件

 先日のブログでのべたように,最高裁は,録画予約サービスにおいて,サービス提供者が録画の主体であると判示した。
 ユーザーは,自宅の子機で,気になるテレビ番組を録画して見ている。しかし,その録画されたテレビ番組は,一度は,サービス提供者が管理している親機に自動的に保存され,ネットを経由して配信されている。
 その場合には,法的には,「録画」しているのはユーザーでなくサービス提供書であるとしたわけだ。

  普通に考えると不自然だ。
 サービス提供者は,事務所に親機を置き,子機と接続してあげているだけで,それ以上は,何もしていない。
 普通に考えると「録画」しているのはユーザーであろう。
 
 では,なぜ最高裁は,このような不自然な結論を導き出したのであろうか?
 ヒントは,金築裁判官の以下の補足意見の中にあった。

 著作権法21条以下に規定された「複製」・・等の行為の主体を判断するに当たっては,もちろん法律の文言の通常の意味からかけ離れた解釈は避けるべきであるが,単に物理的,自然的に観察するだけで足りるものではなく,社会的,経済的側面をも含め総合的に観察すべきものであって, このことは,著作物の利用が社会的,経済的側面を持つ行為であることからすれば,法的判断として当然のことであると思う。

 つまり,最高裁は,「録画」という言葉から「かけ離れる」ことはできないが,多少はかけ離れた不自然な解釈でもよい。
 なぜなら,著作権法は著作権者の経済的利益を守るものであり,自然に解釈して,録画予約サービスを合法としては,テレビ番組製作者の経済的利益は守れないからである。
 そのように言いたいのだと思う。

 はたして,この考え方は妥当なのであろうか? 


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posted by 内田清隆 at 07:43| Comment(0) | TrackBack(0) | IT法
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