死者に権利がないのは原則であるが、死者の名誉は法的に保護されており、その名誉を侵害すると名誉毀損罪(刑法230条)が成立する。
しかし、その処罰対象は、虚偽の事実を摘示した場合のみとされており、醜く加工したヌード写真であればともかく、本物のヌード写真であれば、同罪は成立しない。
下記のニュースによると、橋下徹弁護士が、著作権・著作者人格権に侵害可能性に言及したようであるが、写真の著作者は、撮影者である。そのため、八代亜紀さんが自撮りをしたといった特殊な事情がなければ、著作権法違反にはなり得ない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/87c07844624af35e456aa1a628c4080fea8b4d94
また、有名人の写真や氏名を広告に利用することは、一定の場合、いわゆるパブリシティ権侵害として許されない。しかし、パブリシティ権は人格権であるため、死者には存在しないという考えが有力だ。もっとも、パブリシティ権についてはそもそもの法律がないため、はっきりしたことは言えないところではある。
参考:http://uchida-houritsu.sblo.jp/article/79562530.html
今回の件について一番の問題は、名誉やパブリシティというよりプライバシー侵害の点にあるであろう。しかし、プライバシー侵害についても法律はないため、どのような場合が違法になるのかは、はっきりしない。ましてや、死者のプライバシー侵害についてはほとんど議論にすらなっていない。ただ、普通に考えれば、当の本人が亡くなっている以上、プライバシー権侵害で訴えるのは難しそうだ。
なお、リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)違反については、本人が亡くなっていても成立し得る。ただ、CDに付けられた写真が、「性欲を興奮させ又は刺激するもの」(全裸又は半裸の状態で扇情的なポーズをとらせているものなど)に当たるのかという問題があるし、同法は申告罪であり、遺族が了承していれば、本人(死者)の意思に反していても、罪には問われないということになる。
結論的に、死者のプライバシーに関しては、法律の整備がなされておらず、よく分からない面が多いというのが回答になろう。
死者を大切にしないと、化けて出てきて生者を困らせるというのが日本の神話。法の整備を急ぎたい。
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