2016年07月21日

英文契約書の分かりづらさ〜その2 謎の繰り返し

 以前,英文契約書にはラテン語由来の非日常的な単語が多数使われるという話をしたが,英文契約書の理解を妨げるもう1つの原因は,同じ意味の言葉の並列という謎の現象である。
each and every      =every それぞれの
act and deed       =act 行為
final and conclusive   =final 最終的な
new and novel      =new 新しい
など,1つでよい単語をなぜか2つ並列させることで,文章を長くし分かりづらくさせている。

 この現象も,フランス語(又はその元のラテン語) の英語への影響によるものであるらしい。
 イングランドにおける公式法律用語は,18世紀まではフランス語であった。
 そのため法律用語をフランス語から英語にしようとした時,フランス語由来の単語を使うか元々の英語由来の単語を採用するかが問題になった。
 そして,最終的に「面倒だ,両方使ってしまえ!」ということになり,同じ意味の言葉の並列という謎の現象が発生したらしい。
参考 http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2013-04-09-1.html

 なんとも,乱暴かつ迷惑な話である。

 しかし,日本語でも同じような事情はあるのかもしれない。
 法律用語で欠陥のことを「瑕疵」というが,「瑕」も「疵」も,もともとは不完全なところを意味する同じ意味の言葉である。
 「損害賠償」も損したこと及び害を受けたことの賠償という意味であるが,「損」と「害」という同じような意味の言葉を羅列したものである。
 「委任」とは「委ねる」ことであり「任せる」ことであり,これもまた同じような意味の言葉を羅列したものに過ぎない。
 
 同じような言葉を繰り返すことは,分かりやすく伝えるためには必要であり,ある程度はやむを得ないことなのであろう。


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posted by 内田清隆 at 16:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 契約書作成
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