2016年04月25日

バベルの図書館とインターネット

1941年にラテンアメリカの奇想作家ボルヘスが発表した「バベルの図書館」という奇妙な小説がある。
バベルの図書館には,今までに書かれたすべての本とそれらの本の落丁・乱丁・誤訳版,それらの本の解説書や解説書の偽書にいたるまで,ありとあらゆるすべての本が納められている。そればかりか,これから書かれるすべての本も納めれており,その図書館にない本が出版されることすらない。


インターネットの世界では,一度公開されたものが半永久的に存在し続ける。
誤った情報でもくだらない情報でも,過去に公開された情報は,遠い未来においても検索することが可能だ。

最近,5年以上も前にネット上に書き込まれた名誉を毀損する書込みを削除するという業務を行った。
5年も経過しているにもかかわらず,その書込みは,あちこちのサイトで引用されおり,それらを1つずつ削除するのは大変な業務であった。
検索されてもヒットしない状態にまではなったが,本当に根絶できたかどうかはかなり怪しい。

フランスのある女性はグーグルに対して,過去のヌード写真の消去を請求する裁判を起こして勝訴している。
10代の時に調子に乗ってアップした恥ずかしい写真がいつまでも消えることがない,それがインターネットなのである。

インターネットの世界には,際限のない大量のデータが保存されている。
米国の大手調査会社IDCの推計によれば、2013年の1年間でインターネットに蓄積されたデータは2,000,000,000,000,000,000,000,000バイト(1兆×2兆バイト)。
20世紀終わりまでに人類が蓄積したデータ量の300倍以上である。
http://1000ya.isis.ne.jp/file_path/1601_img001.jpg

際限のない大量の情報が半永久的に保存される。
つまりインターネットはバベルの図書館なのである。


ボルヘスの描くバベルの図書館には出口がない。
バベルの図書館は,真ん中の大きな換気孔を取り囲む六角形の回廊で成り立っている。
その回廊が下にどこまで続くのか,上にどこまで続くのか誰も分らない。
無限階続いているわけだ。
その中で,どこで生まれたかすらわからない司書官が,果てしなく本を調べ続ける。
そして,生涯を終えると中央の換気孔に捨てられる。

ボルヘスの描く奇想の図書館は,既に現実化されつつあるのかもしれない。


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posted by 内田清隆 at 13:23| Comment(0) | TrackBack(0) | その他
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