2020年11月21日

日本におけるブラックライブズマター

米国では,ブラックライブズマターとして,人種差別に反対するデモや暴動が継続して起こっている。その発端は,警察官による黒人への不当な対応にある。
私も,以前アメリカで夜中に車を運転していた際に,ピストルを手にした複数の警察官に車から降ろされて,「フリーズ」と叫ばれながら,壁に手を付けさせられ,身体検査をされたことがあった。米国警察官の対応の問題をテレビで見聞きするたびに,その時の異常な恐怖感を思い出す。

日本では無縁の話だと思っていたが,金沢市在住のある白人から似たような話を聞いた。
夜間に自転車で普通に走っていたら,突然進行方向の歩道にパトカーが乗り上げて停車し,降りてきた警察官に取り囲まれて職務質問をされたという話だ。
自分は多くの日本人と肌の色が違うから理由もなく職務質問される,いきなり警察官に囲まれて逃げられないようにして質問されるのは非常な恐怖であると怒っていた。

また,こうも言っていた。「日本では逮捕されたら保釈はされない。証拠を捏造されて裁判されることになる。裁判されたら無罪になることはない。外国人だと特にそうだと聞いた。恐ろしい国だ」と。
私は,さすがにそれは言い過ぎだと反論しだが,一面真実を現わしていることも確かである。
少なくとも,多くの外国人など見た目が少数派の日本在住者がそのように日本をとらえていることは確かだ。

確かに,アメリカとは異なり,日本で警察官が外国人を殺したという話はほとんど聞かない。そう考えれば,日本はアメリカよりましとも思える。
しかし,アメリカは極めて多数の異人種がまじりあっている国である。そのため,黒人といってもアジア人といっても膨大な人数がいて,その声は大きい。
一方,日本では,アジア系,しかもヤマト民族が圧倒的多数を占め,少数人種の声は小さい。
そう考えると,意外に日本の闇はアメリカよりも深いのかもしれないと思った。

生まれた所や皮膚や目の色で
いったいこの僕の何が分かるというのだろう。 
 ・・・こんなはずじゃなかっただろ? 
歴史が僕を問いつめる。
まぶしいほど青い空の真下で
 (THE BLUE HEARTS 「青空」)


↓↓弁護士ブログの人気ランキングです。↓↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

金沢市の人気ブログランキング
↑↑参加しています。クリックでご協力お願いします。↑↑
posted by 内田清隆 at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 弁護士雑感

2020年11月03日

誠実協議条項の新たな可能性

誠実協議条項といわれるものが契約書に入れられる場合は多い。
「本契約の解釈について疑義が生じた場合は、甲乙は、本契約の趣旨に従い、誠意をもって協議し、解決するものとする。」といった条項である。

以前「誠実協議条項があるのに,突然訴訟をされた!これは同条項違反として損害賠償請求できないか?」と相談を受けたことがある。
結論からいうと難しい。
というのも誠実協議条項については,当事者の心構えを示したものに過ぎず,法的な義務を発生させないというのが一般的な考え方だからである。

私も当然のようにそのような考え方をしていたのだが,よくよく考えてみれば,これはおかしいと思えてきた。
契約書は本来,心構えを示すために作られるものではなく,法的な義務を明確にさせるために作られるものである。
また,訴訟といった手段にすぐに訴えることを禁止し,まずは誠実に協議することを義務付けることは決しておかしなことではない。

このようなことを思ったきっかけは,極めて精微な誠実協議条項を目にする機会があったためである。
その条項では大雑把にいうと
・紛争が生じた場合にはまず話合いの機会をもちたいと担当が書面を送ること
・同書面が送られた場合には他方は話合いの場に立つ義務があること
・話合い開始後30日以内に,双方は関係証拠を相手に開示すること
・上記書面を送って30日以内に回答がない場合には調停を申し立てることができること
・その場合の調停に要する費用は回答しなかった側の負担になること
・同調停が成立しなかった場合に初めて訴訟を提起できること
など,誠実に協議するとはどのような手続を踏まなければいけないか,それに違反した場合にはどのような罰則があるのかが詳細に記載されていた。

 このような誠実協議条項であれば,法的効力が否定されることはないであろう。

 民事訴訟は,正確さを求めるためスピード感に欠き,またコストもかかる手続である。
 そのため,もちろんケースバイケースであるが,紛争解決方法として最善であるとはいえない場合が多い。

 それを考えれば,契約書作成段階において,誠実協議義務は法的に意味がないとして無視するのではなく,逆に法的に意味のあるものに作り替えていく努力が必要なのかもしれない。

 いずれにしても,契約書作成において,いつもある一般条項は当然のものとして読み飛ばしがちだが,その意味を考えることを忘れないようにしたい。


↓↓弁護士ブログの人気ランキングです。↓↓
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

金沢市の人気ブログランキング
↑↑参加しています。クリックでご協力お願いします。↑↑

posted by 内田清隆 at 15:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 契約書作成