2016年10月22日

パロディ商標の限界〜KUMAとPUMA

有名なPUMAの商標
PUMA.png
KUMA事件(知財高裁平成25年4月25日判決)では,下記商標は,PUMAの商標と外観上酷似しており,混同を生ずる恐れがあり,無効であるとされた。


KUMA.png
一方で, SHI-SA事件(知財高裁平成22年7月12日判決)では,下記商標は,PUMAの商標と外観上必ずしも類似するとはいえず,混同を生ずる恐れがあるとはいえないとして,有効であるとされた。


SHISA.png
KUMAとPUMAは「K」と「P」しか違わないが,「SHI−SA」と「PUMA」はスペルがだいぶ違う。また,「SHI−SA」の方には,「OKINAWA ORIGINAL・・・」など小さな文字でいろいろと書かれている。
それを考えれば,KUMAは似ている,SHI−SAは似ていないという判断もあり得ないとはいえない。しかし,かなり微妙な判断である。

 もしかすると,両社の態度が結論を変えさせたのかもしれない。
 KUMAは「本件商標以外にも,欧文字4つのロゴにピューマの代わりに馬や豚を用いた商標や,他の著名商標の基本的な構成を保持しながら変更を加えた商標を多数登録出願し,商品販売について著作権侵害の警告を受けたこともある」として,知財高裁は,「公正な取引秩序を乱し,商道徳に反する」とまで述べている。
 KUMAだけでなく「BUTA」や「UUMA」も使い,以前から注意されていたというわけである。

 一方でSHI−SAについては,「本件商標の跳躍するシルエットの動物図形には,沖縄を象徴するシーサーが沖縄から大きな舞台に跳び出してほしいという原告の願いが込められている」「パロディの趣旨で本件商標を創作した事実を認めるに足りる証拠は存しない」と判示している。
 
 ふざけた態度で作っているKUMAはだめだけど,まじめな態度で作っているSHI−SAはOKと裁判所が判断したというわけだ。
 しかし,それではパロディという行為自体が悪いということになってしまう。諸外国のようにパロディを広く認めるためには立法が必要であろうが,少なくともパロディだから悪いという価値判断はおかしいと思われる。

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posted by 内田清隆 at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 知的財産法