2015年03月08日

「言葉のセクハラ」問題?〜最高裁平成27年2月26日判決

最高裁は,先月26日,部下の女性にセクハラ発言を繰り返した男性管理職を出勤停止とした懲戒処分の取消しを求める訴訟において,処分は妥当とする判決を出した。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/883/084883_hanrei.pdf

東京新聞は,
「言葉のセクハラは大したことがないと考え,対策が遅れている企業には強い警鐘となるだろう」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015022702000157.html
という記事を出し,
読売新聞は
「言葉のセクハラ 厳格な処分を支持した最高裁」というタイトルで「言葉のセクハラを軽視する風潮は,一部に根強く残っているのも事実だろう。セクハラに対する意識改革をさらに進めたい。」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20150226-OYT1T50186.html
という記事を出しているが,なんとも違和感を覚えた。

降格及び出勤停止になった社員の一人は,1年間にわたり,部屋で二人きりの状態で
「結婚もせんでこんな所で何してんの。親泣くで。」
「30歳は,おばさんやで。」「もうお局さんやで。怖がられてるんちゃうん。」
「お給料足りんやろ。夜の仕事とかせえへんのか。時給いいで。したらええやん。」
などの発言を繰り返し,派遣社員を退職に追い込んだと認定されている。

これらの発言は「言葉のセクハラ」という問題以前に,悪意をもって部下が嫌がることを言い続けて部下を辞めさせたとしか思えない。これでは,懲戒処分とされても仕方がないであろう。

上記のような発言を密室で繰り返し退職に追い込むことは,普通に悪いことであり,言葉のセクハラだからといって軽視されるという問題ではないように思える。
「言葉のセクハラ」などという難しい問題ではなく,「部下に嫌がらせをしてはいけません」という当たり前のことであろう。

もっとも高等裁判所は,
被上告人らが従業員Aから明白な拒否の姿勢を示されておらず,本件各行為のような言動も同人から許されていると誤信していた
と認定し,悪意はなかったと判断している。

しかし,上記発言は,悪意に基づいていない,いわば「スキンシップ」とはとても思えない。
具体的事情が分からないので何ともいえないが,密室においてスキンシップとして「結婚もせんで何してんの。親泣くで。」「夜の仕事とかせえへんのか。」と言う状況は,私にはちょっと想像ができない。
関東の最高裁が大阪高裁の判決を引っ繰り返したわけで,もしかすると関西人の文化は関東人の私とは違うのであろうか・・・。


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posted by 内田清隆 at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働問題