2014年11月26日

契約書のタイトルのもつ法的意味

契約書のタイトルをどうしたらいいかという相談をよく受ける。
「合意書がいい?それとも契約書?あるいは覚書とか念書がいい?」といった相談だ。

 結論からいえば,法的にはほとんどの場合どれでもいい。
契約書のタイトルが法的意味をもつことはほとんどないためだ。

 システム開発などにおいては,その契約が準委任契約であるか請負契約であるかについてもめることも少なくはない。
 しかし,「準委任契約書」と書いてあっても,本文の内容が請負契約となっていれば,それは法的には「請負契約」であり,逆もまた同様である。

 判断が微妙な場合,タイトルが意味を持つこともあり得なくはないが,圧倒的に重要なのは,当然のことながら中身である。

 逆にいえば,タイトルで油断してはいけないということである。
 「合意メモ」といった軽いタイトルであっても,中身によっては立派な契約であり,重い法的意味を持つかもしれない。
 「贈与契約書」といったタイトルであっても,中身が売買契約であれば,売買契約書であり,無料で何かをもらうつもりであったとしても,代金を払わなければいけなくなるかもしれない。

 ふさわしいタイトルを考えることに意味はあるが,その重要性は低い。
 それに頭を悩ませるくらいであれば,契約書の中身をよく読まないといけないということである。


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posted by 内田清隆 at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 契約書作成

2014年11月02日

足拭きマットで転倒したら損害賠償できる?

銀行の支店出入り口にあった足拭きマットが滑り転倒・負傷したとして,ある女性が銀行に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決 が3月13日,東京高裁であった(判例時報2225号70頁)。 
東京高裁は,「マットが床の上を滑りやすい状態で設置されていた」として注意義務違反を認め,銀行に損害賠償を命じた。

床が特に滑りやすい材質であったわけでもなく,ごくわずかにマットの裏が濡れていたため起きた不幸な事故である。
また,その女性は,ショルダーバッグを肩に下げ,両手に荷物を持ったバランスの悪い状況であった。
それでも,そのようなお客さんが来ることは予想できるし,わずかでもマットの裏が濡れていなければ,転倒は生じなかったとして,銀行の責任を裁判所は認めたところである。

なかなか厳しい判断である。

同裁判例の考え方からすれば,「滑りやすいです!ご注意を!」の看板を付けたとしても,責任は逃れられないだろう。過失相殺によって減額されやすくなるだけである。

前にワシントンに住む友人から,アメリカでは転倒事故で損害賠償請求されるのを恐れるため,少しの雪でも会社が休みになるという話を聞いたことがある。
日本もそのような社会になっていくのかもしれない。


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posted by 内田清隆 at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 商取引法