2014年05月07日

話の下手な弁護士〜「対決」から書面中心の「口頭弁論」 

 テレビドラマの影響によるものだと思われるが,「弁護士=話が上手」というイメージが強いようだ。しかし,実際は意外に弁護士は話が下手なのである。

 裁判,特に民事訴訟では,ほとんどが「書面主義」である。
 「口頭弁論」期日と呼ばれ,建前としては,口頭で議論を戦わせる場とされているにもかかわらず,現実には,「本日提出した書面の通りです」とだけ述べ,「口頭弁論」は書面を交換するだけで5分で終わる場となり下がっている。
 そのため,私も含めて多くの弁護士は,実は,書面を書くのは上手であるが,話は上手でもないのである(もちろん,話が上手な弁護士も多いが,それは,裁判で上手になったものではない。)。

 しかし,どうも,これは昔からそうであるようだ。

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 先日読んだ「日本人と裁判」という本によると,鎌倉時代から,日本の裁判は書面審理が中心の何年もかかる手続きであった。
 そして「対決」と呼ばれた口頭で議論を交わす場は,書面審理の補助としてだけ運用されていたそうだ。
 今の日本の裁判とあまり変わりがない。

  私も,法廷で堂々と弁論するテレビでみる弁護士に憧れていたところもあり,「口頭弁論」が「書面の通りです」という場になっていることに納得がいかないでいた。
 しかし,考えてみれば,口頭より書面の方が「あれを言い忘れた」というミスを防げるし,後から振り返って何が議論されたか正確に分かるといったメリットも多い。
 書面による議論と口頭による議論のバランスが大事なのであろう。

 とはいえ,文書を書くのは上手だが,話は下手というのでは,弁護士としての魅力に欠ける。
 裁判が書面主義であっても,堂々と口頭で意見を述べる能力は磨きたいものだ。


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posted by 内田清隆 at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 弁護士雑感