2014年03月05日

オリンピックと「金」の話〜アンブッシュマーケティング

 ソチオリンピックでは,羽生結弦選手が見事に「金」メダルを獲得したところであるが,本ブログはマネー=お「金」の話。

 2020年のオリンピックの開催地に東京が選出されたこともあり,オリンピックを利用した宣伝や広告を考える業者は少なくない。

 しかし,JOC・日本オリンピック委員会は,「・・・オリンピックのイメージ等の無断使用…は法的にも罰せられます。」とホームページに堂々と表示し,公式スポンサー以外の便乗広告=アンブッシュマーケティングを厳しく取り締まる姿勢を明確にしている。
http://www.joc.or.jp/about/marketing/noambush.html 
「オリンピック」「がんばれ!日本!」「TOKYO2020」等については商標登録されており,これらを無断で商標として使用できないことは当然である。
 しかし,「オリンピックのイメージ」を無断使用することは法的に罰せられるのであろうか。
 「おめでとう東京」「日本選手、目指せ金メダル!」「日本代表、応援します!」といった表現までもすべてNGになるとの報道もされたらしいが,本当であろうか。

ウソである。

 問題となるのは不正競争防止法であろうが,同法2条1項2号は,著名な商標等表示と同一若しくは類似のものの使用を禁止するに過ぎない。「オリンピックのイメージ」が「著名な商品等表示」でないのは当然だ。
 また,同法2条1項1号は,「他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為」を禁止するが,それも「商品等表示を使用」する場合に限られるのであり,「オリンピックのイメージ」の利用はこれに含まれない。

 もちろん,状況によっては不正競争防止法違反になる場合があることは否定できないが,正確には「・・・オリンピックのイメージ等の無断使用・・・は法的にも罰せられることが,あり得ないわけではありません。」であり,少なくとも「罰せられます」といい切ることは明らかに誤りである。

 公式スポンサーから多額のお「金」を払ってもらうために,誇張した表現を用いてでもアンブッシュマーケティングを取り締まろうとしているのかもしれない。
 しかし,JOCから訴えられるかもしれないと思っては,中小企業はオリンピックをイメージするような広告は一切できなくなってしまうのであり,JOCの態度は不当に委縮効果を与えている。
 まさか,JOCも地元商店街が「●●選手・金メダルおめでとう!」というセールをすることまで,禁止したいわけではないだろう。

 どこまで許されどこから許されないのか,責任ある団体としてJOCは納得できる基準を明確にすべきであろう。


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posted by 内田清隆 at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 知的財産法