2012年11月18日

少数派株主の追い出し(キャッシュ・アウト)の新たな制度

以前,無償で行う少数派株主の追い出しとして,全部取得条項付株式を利用する方法を説明したが,http://uchida-houritsu.sblo.jp/article/53322657.html
会社法改正により,新たな少数派株主の追い出し(キャッシュ・アウト)「特別支配株主の株式等売渡請求」という制度ができる予定だ。

法務省の中間試案http://www.moj.go.jp/content/000082647.pdfによれば,議決権の90パーセント以上を有する大株主が,少数株主に対して,「あなたの持っている株式を○円で買い取ります」と通知すれば,少数株主が同意をしなくても,強制的に株式を取得することが可能となる。
取締役会の承認は必要であるが,株主総会を開く必要はなく,時間的・手続的コストの低減が期待されている。

現状でも,議決権の3分の2以上を有する株主であれば,全部取得条項付種類株式を用いることにより,少数株主の株式を強制的に取得できるのであるから,同じようなものではある。
しかし,全部取得条項付種類株式を用いた少数派株主の追い出しは,実質はともかく建て前は会社の行為として行われるが,新しい制度では,真正面から大株主は少数派株主に対して「お前の株式を俺にこの金額でよこせ!」という要求をできるということを認めるものである。
そう思うと,理論的には,実に新しい制度だ。



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posted by 内田清隆 at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 商取引法

2012年11月08日

システム開発ができない特許庁

特許庁が,出願情報を一元管理するシステム開発に失敗し,54億円を無 駄に支出したことを会計検査院が指摘したというニュースを見た。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1005R_R11C12A0CR0000/

テレビのニュースによると,請負人の能力にも問題はあったが,契約締結以降 に,特許庁から新たな機能追加などが相次ぎ,それに請負人が対応できずシステム開発が途中でとん挫したとのことであった。

特許庁でもそうなのか!というのが素直な感想である。

システム開発,プログラム開発が途中でとん挫し,訴訟となるケースは後を絶たないが,そのほとんどで問題になるのが,「最初に聞いていなかった機能追加が相次いだ」という主張だ。
私が経験した訴訟でも,必ず出てきた問題だ。

システム開発業者は,決められた仕様に基づいてプログラミングをするわけであり,発注者としては,事前に必要な機能を明確にしなければいけない。
経済産業省も述べているし,どの本にも出てくる基本的なことである。
ところが,多くの企業が同じミスをし,特許庁までもが同じミスを してしまう・・・。

建築においても,図面で見るのと完成した建物では違うことがある。
ましてや,目に見えないシステムについては,人間の想像力には限界があり,
設計段階では実施段階が想像できないということなのであろうか。
発注者としても受注者としてもくれぐれも気を付けたい問題である。


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posted by 内田清隆 at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | IT法

2012年11月05日

なぜ弁護士の字は汚いのか?

私を含めて手書きのメモの字が汚い弁護士は非常に多い。

ある弁護士は,その理由を,司法試験では短い時間でたくさんの文字を書かなければいけないため,その司法試験の勉強の中で字が汚くなる・・・と分析していた。
http://www.sagamigawar.com/000shuusei1.html

しかし,私自身は,司法試験の勉強を始める前から手書きの文字が読みづらいとよく言われていたし,司法試験の勉強により字が汚くなったわけではない。では,なぜ弁護士の字は汚いのか?

弁護士の多くは,時間に追われて仕事をしている。そうなると,文字を書くときにゆっくり書いている時間がない。そのような仕事を繰り返しているうちに字が汚くなるということが考えられる。しかし,考えてみると,司法試験の優秀答案の字は汚いものが多かった。弁護士になってから字が汚くなるわけではなさそうだ。

そうなると,弁護士の字が汚いのではなく,字が汚い人間が弁護士になる可能性が高いという結論になる。
不思議に思い「字が汚い 性格」で検索して出てきたあるブログhttp://moriri12345.blog13.fc2.com/?mode=m&no=1175には「医者や弁護士なんて字が下手な人ばっかり。子供の頃から一生懸命勉強して、文字をたくさん早く書かなきゃいけない癖が付いているんで、いちいち字を綺麗になんか書いてられないからなんですよね。その名残だと思いますね。」と書いてあった。

しかしである。頼山陽,森鴎外,富岡鉄斎・・・,誰よりも一生懸命勉強し,圧倒的な教養を誇る昔の知識人は達筆で有名だ。子どものころから一生懸命に勉強をしたため字が汚いという理論は正しいとも思えない。


先日,新人事務員に対して先輩事務員が「弁護士の字が読めるようになることが事務員として第一歩!」といったような指導をしていた・・・。

字は心の鏡。弁護士の字が汚い理由について,どうでもよい分析をする暇があれば,読みやすい字を書くように心がけよう。



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posted by 内田清隆 at 14:25| Comment(1) | TrackBack(0) | その他