ブログを書いた7年後の令和2年に改正民事執行法が施行され、同法により、正当な理由なく裁判所出頭しなかったり裁判所で虚偽の陳述をした場合には、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金という、それなりに重い罰を科すことが可能になった。
まだ正式な統計データは多くは発表されていないが、以降、財産開示の申立ては急速に増えており、警察でも相当数の件数の告訴を受理しているそうである。
しかしながら、正直いって、現在も実効性には相当の疑問がある。
それを知ってか、財産開示期日に出頭しない人は半数近くに及んでおり、申立件数の増加に合わせて、期日に出頭しない人の割合も増えているらしい。
一つの問題点は、「正当な理由」を捜査機関が甘く判断するなどして、熱心に起訴していないことだ。
例えば、裁判所からの付郵便送達(手渡しではなく郵便での連絡)の場合、裁判所からの通知を見てないといった言い訳を真に受け、不出頭に正当な理由がないとはいえないとして起訴をしないことが日常化している。
日弁連のアンケート結果https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/activity/civil/reiwa_questionnair_bunseki_kekka.pdf
にも問題点として指摘されているが、全国的にある問題のようだ。
ニュースhttps://www.yomiuri.co.jp/national/20220817-OYT1T50067/によると、財産開示手続の無視について刑事告発をしても起訴がなされず、検察審査委員会が起訴相当の議決をした例まであるらしい。この例からも、捜査機関の不熱心さがうかがえる。
裁判所から支払を命じられても支払わらず、裁判所から出頭を命じられても無視する人の言い訳を、なぜ捜査機関が真に受けるのかと思う。
しかし、そもそも「正当な理由」がない場合に刑事処分を科すというやり方ではなく、出頭しない場合には警察が裁判所に引っ張ってくる制度にするなど法自体を改正する必要があると思う。
「逃げ得」は許さない社会にしなければ、日本人の良心は損なわれてしまうであろう。
早めの改正を期待したいものである。
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