2025年11月18日

ロボット裁判官による未来の法廷

ロボット裁判官の登場
アメリカの刑事事件の裁判では、5年以上前から、再犯予測をするAI「COMPAS」が現実に利用されている。

近年、以前から噂されていた「ロボット裁判官」が現実味を帯びてきたというニュースをよく目にするようになった。

既に訴訟の勝訴確率を有料で判断するサービスは日本にも存在する。
https://justice.legalai.co.jp/#/top
あるイスラエルのメーカーの発表によると、同メーカーの開発したソフトは85%の精度で、どちらが勝訴するかを的中させる。結構な精度だ。
https://israel21c.org/ai-software-predicts-if-a-legal-case-a-winner-or-no-hoper/

それらからすれば、AIが裁判になるような争いについて、相当に説得的な判断を下すことは、既に可能なのであろう。

ロボット裁判官の流行
労働審判は従前の訴訟と比較して、いい加減で不正確である。しかしながら、時間がかからず費用もかからないという大きなメリットがあるということで大流行している。
そうだとすれば、少々精度が低くても、圧倒的に早くて費用もかからないAI裁判官の需用はすぐにでもありそうだ。

ロボット裁判官を強制するとなれば倫理的な問題もあるし法改正も必要である。しかし、双方の合意でロボット裁判官を使用するということは、すぐにでも可能だし、時間と費用の節約のためにすぐにでも行われそうだ。

未来の法廷
すでに、多くの弁護士が生成AIを業務に使っており、近いうちに、ロボット裁判官だけでなく、ロボット弁護士が活躍する時代も近いのかもしれない。

まだどこの国でも行われていないであろうが、将来的には、AIそれ自体が、原告や被告になるということもあり得るかもしれない。

そうなった場合の未来の法廷では、ロボットの権利を守るため、ロボット弁護士同士が議論し、ロボット裁判官が判断することになる。
「何それ?」「何の意味があるの?」と思ってしまうが、それは古い人間中心主義に害されている古い人間だからなのかもしれない。

「昔の人間って『議論』してたんだってね」「すごいよね〜昔の人たちって」といった会話がなされる未来は、もうすぐそこだ。

ChatGPT Image 2025年9月16日 15_42_29.png


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2025年10月06日

「みゃくみゃく」が弁護士業界に襲撃!?〜登録商標にみる多すぎる指定役務・商品


20251006みゃくみゃく.jpg
   商標権者:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
   登録番号:第6656708号
   特許情報プラットフォームhttps://www.j-platpat.inpit.go.jp/s0100 から

上記、大阪万博のマスコットキャラクター「みゃくみゃく」は、もちろん商標を取得されているが、指定役務又は指定商品が衝撃を受けるほど広い範囲となっている。
登録商標はすべての役務・商品について独占権が与えられるわけではなく、登録された「指定役務・商品」に限り独占的な使用が可能となる。
この点、図の「みゃくみゃく」は信じられない数の役務・商品を対象としていて驚いた。100や200ではなく数えられないような数の役務・商品を対象としているのである。

そのごくごく一部をあげると以下のような役務・商品である。
第3類  つけまつ毛
第5類  生理用ナプキン,おむつ,金属製養鶏用かご
第7類  陶工用ろくろ,消毒・殺虫又は防臭用散布機(農業用のものを除く。)
第8類  くわ,鋤,火ばし,まつ毛カール器
第9類  人工衛星,消防車
第10類 人工鼓膜用材料,しびん,病人用差込み便器,
第12類 落下傘
第13類 爆薬,戦車
第19類 養鶏用かご(金属製のものを除く。)
第21類 ねずみ取り器,はえたたき,ブラシ用牛毛・たぬきの毛・豚毛及び馬毛
第24類 遺体覆い,黒白幕,
第26類 つけあごひげ
第31類 鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。
第37類 原子力発電プラントの修理又は保守
第40類 核燃料の再加工処理
第45類 葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供

「みゃくみゃく」を商標とする、人工衛星から核燃料の再加工処理まで行う意思があるらしい。
「みゃくみゃく」を商標とした葬儀の執行や「しびん」や「おむつ」には魅力を感じないが、人それぞれなのだろうか。
基本的に指定役務・商品は、使用する意思がないと登録されない。
そうすると、爆薬や戦車にまで「みゃくみゃく」を使用する意思があるということだが、やめてほしいものだ。

さらに見ていくと
第45類 法律事務に関する情報の提供
についても登録がされていた! 
どうやら弁護士業界にまで「みゃくみゃく」は攻撃を仕掛けてくる意思がありそうだ。もしかしたら強力なライバルになるのかもしれない。


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2025年09月23日

人を説得する方法〜アリストテレスの「弁論術」

弁論術.jpg

弁護士は日々、裁判所における訴訟活動として「口頭『弁論』期日」に参加している。しかし、海外では指導もされているそうであるが、日本では正しい『弁論』の技術についてはあまり教育されていない。
そこで、『弁論』について、基礎から学ぼうと考え、古代ギリシャの哲学者アリストテレスの「弁論術」を読んでみた。

1.ロゴス・エトス・パトス
 アリストテレスによれば、人を説得するために必要な「弁論術」は、技術であり、学ぶべきものである。そこには、「正しいことを言えば人は分かってくれる」という甘さはない。正しい論理(ロゴス)はもちろん大切であるが、いかに正しいことを言っても、論者の人柄・人間性(エトス)がなければ、人を説得することはできない。また、特に「法廷弁論」においては、聴衆の感情や情緒に訴え、共感や情熱を引き出すこと(パトス)も重要であると説いている。
 確かに、ギリシャの裁判と異なり、現在の日本の裁判官はロゴスを重視しているであろうが、しょせんは人間であり、弁護士の人柄(エトス)が影響を与えていないはずはない。ましてや、感情的な共感(パトス)が影響を与えていないはずもないであろう。

2.ロゴス
 (1) 例証(帰納法)と説得推論(演繹法)
 アリストテレスによれば、論理的な説得方法は、例証と説得推論の2つしかない。
例証とは、具体的事例や類似例を挙げて説得する方法であり、「ペルシャ戦争のときも、強大な国は小国を攻めたが失敗した。だから今回の遠征も成功しないだろう。」といった説得方法である。一方、説得推論とは、争いのないいくつかの真の命題から,他の命題を導出することであり、「すべての人は死ぬ」「ソクラテスは人である」という2つの争いなく真の命題から「ソクラテスは死ぬ」という命題を導くという、A→B→Cという論理操作である。論理的な説得方法が、この2つしかないと言われると反発したくなるが、確かに、弁論をするときには、自分がこのどちらの方法をとっているのかを自覚しておくのがよさそうだ。
(2) 例証の方法
 アリストテレスは
「例証は2種ある。すなわち、例証の種の1つは、過去にあった事実を挙げることであり、いま1つは論者自身が例を創り出すことである。後者のうち1つは比喩であり、1つは、寓話である。」と例証を@実話とA比喩・寓話に分ける。そして、実話の方が説得力があるが、過去の同じような事実を見つけ出すのは困難が多く、比喩・寓話を作るのは容易であるという利点があると述べている。確かに、ついつい容易であるから、比喩等を使ってしまうことがあるが、説得力のある実話を見つけ出す努力を忘れないようにしたい。
(3) 説得推論の方法
 説得推論については、 「…説得推論においては・・・遠くから多くの議論を重ねて結論を導くということであってはならないし、議論の段階をすべて押さえながら導くというのであってもならないのである。というのは、前者は議論が長すぎて、聴衆にははっきりしなくなるし、後者は、判りきったことまで述べるため、無用なお喋りになるからである。・・・じつにこのことが、大衆の前では、教養豊かな弁論家よりも教養の欠ける弁論家のほうが説得力を持つ理由となっている。」と述べている。なるほど〜という感じであり、論理的正確さを意識しすぎて、丁寧に丁寧にと思うと、長くなりすぎて分かりづらくもなるので気をつけたい。

3.パトス〜憐れみ、怒り・妬み、親切
(1)  憐れみ 
 アリストテレスによれば、人が憐れみの感情を抱くのは、自分自身か身内の誰かもひょっとして見舞われるかもしれないと予想されるようなものにだけである。そのため、人は、自分と似ている人々に対してしか憐れみを覚えない。確かに、刑事の被告人など一般人と違い過ぎて「特殊な人」と思われてしまう場合がある。そんなときにも「 我々と同じ人間だ!」「我々だってこんなことあるでしょ!」と、似ている人間であることを強調するというのは、憐れみの感情を抱かせるために、良さそうな戦略だ。 
(2) 怒り・妬み
 しかし、逆方向の戦略もある。アリストテレスによれば、人間は、友人には激しく怒るが、赤の他人には怒りを覚えない。自分と同じ又は同じと思える者には妬みを覚えるが、赤の他人には妬みを覚えない。
そこで、自分に引き付けて考え、怒りや妬みを感じさせないように、被告人は「・・・という特殊な状況で育った、一般人とは全く違う人です!」と強調することが効果的な場合もあろう。
(3) 親切
 アリストテレスによれば、人が親切と考えるものとは,見返りなく何かの役に立つことが目的で手を貸すことである。したがって、人を不親切な人に仕立てるには,「彼らは自分自身のために手助けをしている」「たまたまそういう巡りあわせになった」,「強制されてそうせざるを得なかった」ということを明らかにすればよいとされる。相手方の評価を下げる弁論であるため反感を買われないように注意する必要があるが、確かに有効そうであるし、無意識的にはよくしていることだ。

4 奇抜な表現の使用
 アリストテレスは、最終の第3巻では、「伝える内容」だけではなく、伝え方「表現」についても、様々な技術を伝えている。 その中で、アリストテレスは、多用すべきではないが、時に「聞きなれない表現は興味を引き付けるために重要である。」と述べて、詩的な表現や造語をここぞという場合に使うことが有力であると述べている。確かに、ニーチェの「超人」やハイデガーの「現存在」、あるいは西田幾多郎の「全体矛盾的自己同一」のように、有名哲学者は謎めいた独自用語を創り出し、それが興味を引かせる原因になっている。
 例えば、「被告の主張は、『迷走主張』というしかない。」「本件契約は均衡を欠いた『片翼契約』である」といった奇抜な表現で主張してみるというのも面白いかもしれない。
 もっとも、アリストテレスは、表現を凝ることについて、「作為に気づかれてはならない。技巧に走っているのではなく,ごく自然な語り方と思われるようにしなければならない。」とも述べている。
 日本の裁判所では、奇抜な表現は作為に気づかれてしまい、不快感を感じさせることの方が多そうだ。


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2025年07月29日

生成AI使用は弁護士の義務? 〜ChatGPTと弁護士倫理

アメリカでは2023年アビアンカ航空事件Mata v. AviancaでChatGPTがでっちあげた存在しない過去の裁判例をそのまま証拠として提出した弁護士が懲戒となり大きなニュースになった。
同じ問題は、オーストラリアでも起こっており、アメリカでは今年もウォールマートの訴訟で同じような問題が起こった。これらの事件で、生成AIの利用と弁護士倫理の関係は急速にクローズアップされるようになった。

参考:オーストラリアでの実情
https://www.theguardian.com/law/2025/feb/10/fake-cases-judges-headaches-and-new-limits-australian-courts-grappling-with-lawyers-using-ai-ntwnfb
参考:ウォールマート訴訟
https://www.reuters.com/legal/legalindustry/lawyers-walmart-lawsuit-admit-ai-hallucinated-case-citations-2025-02-10/

とはいえ、上記の問題は生成AIがよく出力する虚偽の事実を裏付けもなく使用してはいけないという、生成AIの利用にあたっての基本的なルールを逸脱したに過ぎないともいえる。
しかし、生成AIを弁護士業務に使っていると微妙な問題はその他にも色々と出てくる。
・生成AIに質問をしても守秘義務に違反しないのか?
・生成AIを使用したことを依頼者に伝えないことは誠実義務に違反するか?
など、生成AIと弁護士倫理の関係については気になる問題が多い。

そんなことが気になって調べてみたら、アメリカではさらに先へと議論が進んでおり、これらの問題は後回しにされていた。
すなわち、生成AIと弁護士倫理に関するアメリカ法曹協会(ABA)の公式見解は、「生成AIを使う場合」にどのような場合弁護士倫理違反になるかという問題は後回しにして、その逆の問題から議論を進めていたのである。
つまり、
「生成AIを使わないこと」は弁護士倫理違反にならないか
という問題である。

参考:アメリカ法曹協会公式見解512号(2024年7月29日)
https://www.americanbar.org/content/dam/aba/administrative/professional_responsibility/ethics-opinions/aba-formal-opinion-512.pdf#page=3

最終結論は、将来的に技術発展により、ある分野においては生成AIを使わなければ弁護士倫理違反になる可能性があるが、現在のところそこまでではないというものではあった。

しかし、一方で、弁護士は、生成AIの専門家になる必要はないとしても、必要な知識を取得し、利用するかしないかについて、適切に選択する必要があるともされており、もはや生成AIを無視することは弁護士倫理違反になるという見解を示していた。

好むにせよ好まないにせよ、今後は、生成AIについてきちんと学んでおかないと弁護士失格になるというわけだ。
どうせ学ばなければいけないのであれば、楽しんで学んでいきたいものだ。


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2025年04月22日

八代亜紀のヌード写真付きCDの販売は法に触れるのか

あるレコード会社が、既に亡くなった八代亜紀さんのヌード写真付きCDを発売したことで、物議をかもしている。果たして、これは違法行為になるのであろうか。

死者に権利がないのは原則であるが、死者の名誉は法的に保護されており、その名誉を侵害すると名誉毀損罪(刑法230条)が成立する。
しかし、その処罰対象は、虚偽の事実を摘示した場合のみとされており、醜く加工したヌード写真であればともかく、本物のヌード写真であれば、同罪は成立しない。

下記のニュースによると、橋下徹弁護士が、著作権・著作者人格権に侵害可能性に言及したようであるが、写真の著作者は、撮影者である。そのため、八代亜紀さんが自撮りをしたといった特殊な事情がなければ、著作権法違反にはなり得ない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/87c07844624af35e456aa1a628c4080fea8b4d94

また、有名人の写真や氏名を広告に利用することは、一定の場合、いわゆるパブリシティ権侵害として許されない。しかし、パブリシティ権は人格権であるため、死者には存在しないという考えが有力だ。もっとも、パブリシティ権についてはそもそもの法律がないため、はっきりしたことは言えないところではある。
参考:http://uchida-houritsu.sblo.jp/article/79562530.html

今回の件について一番の問題は、名誉やパブリシティというよりプライバシー侵害の点にあるであろう。しかし、プライバシー侵害についても法律はないため、どのような場合が違法になるのかは、はっきりしない。ましてや、死者のプライバシー侵害についてはほとんど議論にすらなっていない。ただ、普通に考えれば、当の本人が亡くなっている以上、プライバシー権侵害で訴えるのは難しそうだ。

なお、リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)違反については、本人が亡くなっていても成立し得る。ただ、CDに付けられた写真が、「性欲を興奮させ又は刺激するもの」(全裸又は半裸の状態で扇情的なポーズをとらせているものなど)に当たるのかという問題があるし、同法は申告罪であり、遺族が了承していれば、本人(死者)の意思に反していても、罪には問われないということになる。

結論的に、死者のプライバシーに関しては、法律の整備がなされておらず、よく分からない面が多いというのが回答になろう。
死者を大切にしないと、化けて出てきて生者を困らせるというのが日本の神話。法の整備を急ぎたい。


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2025年02月25日

犯罪減少社会

令和5年版犯罪白書を信じるのであれば、平成15年頃をピークに、刑法犯の認知件数や検挙件数は、激減している。
犯罪全体.PNG
 
窃盗犯の激減がすごいが、殺人、強盗、放火といった凶悪犯も軒並み減少しており、特殊詐欺など一定の犯罪を除き、ほとんどの犯罪が大きく減少している。
殺人.PNG
強盗.PNG
放火.PNG

20年前からすでに、日本は治安のよい犯罪の少ない社会と言われていた。悪いことばかり大きく報道されるためイメージがわかないかもしれないが、その犯罪の少ない社会からさらに、犯罪は激減しているのである。
いうまでもなく、犯罪が少ない社会とは、安心・安全な素晴らしい社会である。この統計からすれば、日本はさらに素晴らしい未来に向かっているといえるであろう。

刑事事件は、弁護士にとって「儲かる」事件ではないので、刑事事件の減少により法律事務所が経営難に陥ったという話は聞かないが、もし「儲かる」事件であったとしたらそのような話が出てきても不思議じゃない激減ぶりだ。

そういえば、最近、少年非行が減ったため、若い弁護士が少年事件を経験できなくなっていることが、弁護士の教育上問題であるといった意見を弁護士会で聞いたことがある。

そこで調べてみたが、確かに統計上も少年事件は激減している。

少年事件.PNG

こうしてみると、尾崎豊が「15の夜」でデビューした昭和58年頃がピーク。今や、その10分の1程度にまで減っている。つまり、誰も、盗んだバイクで走り出さなくなったわけだ。

そういえば、世の中の高齢化と共に、私が最近担当した刑事事件をみても犯罪者の高齢化を感じる。
原因は他にも色々あるだろうが、子どもたちが悪いことをしなくなり、犯罪をするような人間は年寄りだけになってきたというのが、犯罪減少の一つの理由だろう。

日本がよい方向に向かっている証拠だと思う反面、なんだか社会の活力がなくなっているようにも思え、少しだけノスタルジーも感じてしまう。


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2025年01月12日

法廷ジョーク集

アメリカでは、弁護士ジョークだけでなく、法廷ジョークも人気があります。
確かに、大真面目に行われる法廷だからこそ、笑ってしまうようなやり取りがなされることがあります。ジョークは、実際にあった話を元にしているのかもしれません。

弁護士 : そのとき、何が起こったのですか?
証人  : 彼は私に「顔を見られた以上、お前を殺すしかない」と言いました
弁護士 : それで、彼はあなたを殺したのですか?
証人  : いいえ
・・・確かに、当たり前すぎることを確認のために聞いてしまうことはあります。「令和元年というのは令和1年ということですか?」という無意味な尋問が先日ありました。

弁護士 : あなたの誕生日はいつですか?
証人  : 6月18日です
弁護士 : 何年のですか?
証人  : 毎年です。
・・・よく考えてみると難しい話で、「誕生日」には2つの意味があるんですね。

弁護士 : あなたはこの町で人生のすべてを過ごしたということでいいですか?
証人  : まだです。
・・・1文目は「Have you lived in this town all your life?」、2文目はnot yetなのですが、和訳してしまうとあまり面白くないかもしれません。

最後に上手く訳せないのですが、
弁護士 : 答えは簡単ですから、すぐに答えてくださいね
     あなたはなんという学校に行っていましたか
証人  : 簡単・・・
・・・原文は、”your answer must be oral”と言われた上で、学校名を聞かれて“oral…”と答えるというものですが、少し変えてみました。
 「インドの主食はなんですか」という質問に「はい、そうです」と回答するというのと同じパターンでいかにもあり得なそうな話ですが―

裁判官「それでは、住所を言ってください」
被告人「住所」
裁判官「そうではなくてあなたの住所を言ってください」
被告人「あなたの住所」
といったやりとりは聞いたことがあります・・・

引用元
https://onward.justia.com/april-fools-lawyer-jokes-courtroom-funnies/


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2024年11月26日

アメリカ弁護士ジョーク分析

アメリカでは(イギリスでも)、弁護士に関するジョークLawyer Jokesが非常に人気で、一つの分野を形成している。

「金に汚い」弁護士
ジョークで一番多いのは、弁護士はお金のことばかり考えていて「金に汚い」というものだ。
・・・・・
質問者「あなたの弁護士報酬は3回の相談で10万円だそうですね?」
弁護士「その通りです」
質問者「それはいくらなんでも高いんじゃないですかね。」
弁護士「確かに、そうかもしれません。それでは、最後の質問をどうぞ。」
・・・・・
Q 弁護士とバッファローは何が違う?
A 弁護士の方がよりチャージする(The lawyer charges more.)
※チャージchargeに「体当たりをする」と「費用を請求する」の2つの意味があるのをかけている。
・・・・・
弁護士「裁判官、新しい証拠が発見されたので、高等裁判所に控訴したいです。」
裁判官「どんな新しい証拠が見つかったのですか?」
弁護士「裁判官、依頼者はまだ1000ドル持っていることが発見されました。」
  
「正直でない」弁護士
ジョークで二番目に多いのは「弁護士は正直でない」というものだ、
・・・・・
Q サンタクロースと妖精と正直な弁護士と年取った酔っ払いが歩いているとき、全員が同時に20ドルが落ちているのを発見しました。誰がそれを拾ったでしょう?
A もちろん年取った酔っ払いです。他の3つは、架空の生き物です。
・・・・・
あるお母さんと男の子が墓地を歩いていると、「ここに正直な男、弁護士が眠るhere lies a lawyer and an honest man」と書かれている墓碑がありました。それを見た男の子が言いました。
「お母さん、どうしてこの墓地には二人の人が埋葬されているの?」
※here lies a lawyer and an honest manは、「一人の弁護士と一人の正直な男」とも、「弁護士で正直な男」とも読めるが、弁護士が正直なはずがないから、前者と判断したというジョーク。

「地獄に落ちる」弁護士
金に汚く、正直でない弁護士、地獄に落ちるしかなくなります・・・
・・・・・
あるエンジニアが間違って地獄に落とされました。そのエンジニアは地獄にエレベータをつけて、地獄の池に橋を作り、ジャクジーを作り、地獄は快適になっていきました。
神様「おい悪魔。そのエンジニアはうちに来るはずの人だぞ」
悪魔「いまさらいってもどうしようもない」
神様「おいエンジニアをこちらに戻さないと、お前を裁判にかけるぞ」
悪魔「お前はどうやって弁護士を探すつもりだい?」
※弁護士が天国にいるはずがないから探せないという趣旨のジョーク・・・
・・・・・
弁護士と教皇が天国に行きましたが、弁護士の部屋の方が教皇の部屋より立派でした。
そこで弁護士は聖ペテロに言いました「教皇よりも立派な部屋で驚いたよ」。
聖ペテロは言いました
「ここには教皇はたくさんいますので、もう飽き飽きしていました。でも、弁護士は初めてですから」。


英米の弁護士はどうしてこんなに嫌われているのでしょうか?日本でも弁護士のイメージが悪くなっているということは聞きますが、ここまで嫌われてはいないでしょう。
これだけジョークがあるということは、それだけ弁護士という存在が人々の生活に浸透している証拠なのかもしれませんが、地獄には落ちないように襟を正して行動していきたいものです。


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2024年10月20日

共通テストで「契約書」が出題!?

2025年の大学共通テストから国語に大問が追加され「実用的な文章」が出題範囲となり、企画書、報道文、説明書などとともに「契約書」が出題されるという。
https://www.sokunousokudoku.net/media/?p=9290
そのようなものを専門的に学ぶ「論理国語」という新たな科目もできたらしい。

弁護士として、理解できない契約書に押印し、被害を受ける人を何度も見てきた。そんな被害を減らすためにも契約書の読み方を教えることは重要だと思う。

ただ、大きな問題がある。それは、契約書を読むことは、非常につまらないということだ
依頼者の重要な取引に関わる契約書となれば、弁護士も気合を入れて契約書をチェックする。しかし、誰だかわからない人の、なんだかわからない契約書をチェックするのは苦痛だ。
契約書とは、可能な限り人間性とか感情を排した無機質なもので、それを面白いと思って読める人はごく少数であろう。

そう考えると、契約書の読み方を教えることは重要だと思う反面、教わる方はかわいそう・・・というのが正直な感想だ。

先生は、冷たい論理として教えるのではなく、生きた実例として教えることが、重要になるであろう。

しかし、そもそも、試験における「国語」で重要なことは、感覚的に回答するのではなく、論理的に回答することであるといわれる。
だとすれば、あえて、契約書を持ち出さなくても、契約書読解に必要な「論理国語」は、今までの国語の勉強でも身につけられるのではないのではないだろうか。
我々弁護士も、「論理国語」として契約書の読み方を習ったことはない。

https://www.youtube.com/watch?v=1eC6WK8MRw8

第20回サムネイル➀.JPEG
youtube始めました!
posted by 内田清隆 at 16:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 契約書作成

2024年08月04日

AI VS 人間の現在 〜AI時代の弁護士像

2013年3月、第2回将棋電王戦で、佐藤慎一四段(当時)が、現役のプロ棋士として初めてAIに公式の場で敗れた。その後、憑き物が落ちたかのようにプロ棋士たちが次々とAIに敗れていった。私を含めて、多くの将棋ファンが衝撃を覚えた出来事であった。

その4年後の2017年4月1日,当時名人だった佐藤天彦九段は,人間の名人として初めてAIに敗れた。いいところなく完敗であったが、既に驚きはなかった。将棋において既にAIが人間を超えていたことは明らかになっていたのだ。

ATVS.png
(撮影/川村直子) (c)朝日新聞社

圧倒的に強いAIが人間に勝つ惨殺ショーを好んでみたい人はいない。以降、AIと人間が本気で勝負をするという興行も行われなくなってしまった。


 2019年10月10日,東京カルチャーカルチャー(渋谷)にて開催された「商標調査対決AI VS 弁理士 」イベントで,AIが弁理士に勝った。
AIが弁理士に勝ったのは,ロゴ等の画像商標について,似ている商標がないかを検索する勝負(判定は,ある元審査官による)。「似ていると思うか」という人間的感覚の判断においてAIが人間に勝ったということが衝撃的だった。

 2020年12月8日,浙江大学光華法学院とアリババグループ傘下の研究所主催で行われた契約書レビュー大会において,AI弁護士と人間弁護士の連合チームが優勝と準優勝になり,人間弁護士だけのチームを圧倒した。

 その頃から、人間とAI対決の興行は、それほど話題にもならなくなった。特定の分野では、AIが人間を超えていることは明らかであり、興行としての価値がなくなってしまったのかもしれない。

 ある記事によると、アメリカではすでに、100の大型法律事務所の内41の法律事務所でAIを日常的に利用しており、AIの情報を鵜呑みにして存在しない裁判例を存在するとして書面を裁判所に提出した弁護士らが次々と懲戒処分にあっているそうだ。
参考
https://www.themarshallproject.org/2024/02/10/ai-artificial-intelligence-attorney-court

 2023年11月27日、イリノイ州南部地区連邦地方裁判所は、本物の弁護士(real lawyer)とロボットの弁護士(robot lawyer)の間の事件を取り扱った。
https://fingfx.thomsonreuters.com/gfx/legaldocs/gdpzwlbwjvw/MillerKing%20v.%20DoNotPay%20Decision.pdf
被告は、ネットを通じて「ボタン一つで誰でも企業と戦うことができる」AIを弁護士の代わりとするサービスを提供する会社。
原告であるシカゴの小さな法律事務所は、無資格で弁護士業を提供しているとして被告を訴えたが、結果的には被告の行為により損害が発生した立証がないとして原告敗訴となった。

 人間弁護士とAI弁護士との競争は、既に興行の段階にはなく、リアルな法廷闘争の段階に進んでいたというわけだ。

 今のところ日本では、AIを積極的に業務に取り入れている弁護士は少数派だと思うが、AIがプロ棋士に勝ち始めてから圧倒するまでわずか数年。日本でもAI弁護士が大きな力を持つようになるまで、そう時間はかからないであろう。 


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2024年06月05日

東南アジア進出企業向けセミナー〜金沢から海外へ!

シンガポールでご活躍の栗田哲郎弁護士と北國フィナンシャルホールディングスのコンサルティング会社株式会社CCイノベーション様との共催でハイブリッド形式の東南アジア進出企業向けのセミナーを行います。

キャプチャ.PNG
https://www.ccinnovation.co.jp/seminar/20240729-kaigai/
東南アジア進出をお考えであれば参考になる最新事情をお聞き頂けますので、ふるってご参加ください。


posted by 内田清隆 at 15:06| Comment(0) | TrackBack(0) | その他

2024年03月25日

大谷選手は「大規模窃盗」の被害にあっていない

大谷選手の弁護士写真)が、大谷選手が「大規模窃盗」の被害にあっていることを当局に申告したと、報道されている。

この「大規模窃盗」は、「massive theft」を、翻訳したものであるが、「theft」は日本法でいう「窃盗」と同じではなく、誤解を招く翻訳だと思う。

日本法でいう窃盗とは、
@他人の占有する財物を、
A暴行・脅迫の手段によらず、占有者の意思に反して
B自分の占有下にうつす
ことである。

他人ではなく自分の占有する財物を、所有者の意思に反して自分のものにするのは「横領」であり、他人の占有する財物を、暴行・脅迫を用いて自分の占有下に移すのは、「恐喝」や「強盗」である。

法律用語としての「窃盗」は「larceny」だ。
確かに「theft」も「窃盗」の意味で使われることも多い、横領や強盗も含めて不法に他人の財物を取得すること一般の意味で使われることもあり、意味が明確ではない用語だ。
いずれにしても、「theft」を法律用語である「窃盗」と訳すのは適切ではないだろう。

とはいえ、代案も難しい。

大谷選手は「大規模に窃盗などの不当に財物を奪われる犯罪」の被害にあったと訳せば、正確であるが、長すぎる・・・。
大谷選手は「大規模な盗み」の被害にあったと法律用語を使わずに訳した方がベターではあるが、これもなんだかおかしい・・・。

改めて翻訳の難しさを感じた。


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posted by 内田清隆 at 11:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 諸法

2024年03月23日

大谷選手は大丈夫?〜カリフォルニア州法とスポーツ賭博

カリフォルニア州では、スポーツ賭博は違法であり、大谷選手の通訳の水原一平氏は、スポーツ賭博にお金をかけるという違法行為をしたといった内容の報道がなされている。

確かに、カリフォルニア州では、スポーツ賭博を合法化する法案が繰り返し否決されており、同州でスポーツ賭博が違法であることは、一般論としては間違いない。

しかし、同州においてスポーツ賭博自体が違法であるとしても、一般人がスポーツ賭博することが刑罰の対象といえるかは簡単に判断できる問題ではない。

スポーツ賭博に対する刑罰を決めているのは、カリフォルニア州刑法337aである。
https://codes.findlaw.com/ca/penal-code/pen-sect-337a/ 

同条は、
the result, or purported result, of any trial, or purported trial, or contest, or purported contest, of skill, speed or power of endurance of person or animal, or between persons, animals, or mechanical apparatus.=「人や動物あるいは機械装置との間で行われる」「技能や速度や耐久力などの競い合いの結果」に対するギャンブルを規制する。
スポーツは、人間同士で行われる技能の競い合いであるから、スポーツ賭博は同条による規制の対象だ。

しかし、同条は、
(1)賭け元(book maker)になること
(2)ギャンブル場所や道具の保持
(3)賭けられた物の保管
(4)賭けの記録の保管
(5)賭け元に場所や人を提供すること
などを禁止している。
すなわち、同条は、賭けをする一般人を罰するためのものではない。
いわゆる「親」や「胴元」、つまりスポーツ賭博の運営者を罰するのが主目的の法律である。

もっとも、カリフォルニア州刑法337a(a)(6) は、
(every person who) Lays, makes, offers or accepts any bet or bets, or wager or wagersは罰せられると規定し、スポーツの結果について、賭けをすること(lay and make),賭けを申し出ること(offer)、賭けを受け入れること(accept)を刑罰の対象としている。

これを普通に読めば、スポーツに賭けをする一般人(今回の件でいう水原氏)も処罰の対象であり、一般的にもそのように解されているようだ。
しかし、同条文の趣旨からして、同条における「賭けをする」(make bets)とは、賭け元の行為を指し、一般人がスポーツ賭博をすることを指さないという解釈もあるようだ。
https://repository.uclawsf.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1230&context=hastings_business_law_journal  81頁参照

また、少なくとも、カリフォルニア州刑法337a(a)(6)により、スポーツ賭博に興じた一般人が刑事罰を受けるということは、カリフォルニア州では、ほとんどないことであるようだ。
それも踏まえて考えれば、カリフォルニア州でスポーツ賭博ビジネスをすることは明確に違法であるが、一般人がスポーツ賭博することが、すぐさま違法であるとはいい切れない。

ましてや、水原氏の場合がどうであるのか不明であるが、オンラインでスポーツ賭博に興じた場合、すなわち、カリフォルニア州から、他州の賭け元に送金した場合、同送金が違法になるのかが、はっきりしていないことは明確だ。

カリフォルニア州法が適用されるのは、カリフォルニア州内で、賭けをした (make bets)場合であるが、賭け金を他州に送金した場合に、カリフォルニア州で賭けをしたといえるのかどうかははっきりない。はっきりしないのであれば、刑罰法規は適用できないという考えの方が有力のようだ。

以上からして、水原氏が、仮にスポーツ賭博をしたのだとしても、それがスポーツ賭博を禁止するカリフォルニア州法に違反するかどうかは、簡単には判断できない問題だ(なお、一般人である水原氏が違法性を認識していたはずというのは言い過ぎだろう)。
ましてや、大谷選手が違法賭博に関わったとして、カリフォルニア州法に基づき罰せられる可能性はなさそうだ。

もっとも、現時点での報道によれば、カリフォルニア州ではなく、IRS(内国歳入庁)が動いているという話であり、違法賭博とは違う、脱税やマネーロンダリングが問題となっているのかもしれない。

私が受験した当時カリフォルニア州の司法試験では、カリフォルニア州刑法は試験の範囲外だったため、今回、水原氏の問題が気になって、報道により現時点で得られる情報をもとに、急いで調べてみたに過ぎないが、どうやら大谷選手がカリフォルニア州で刑事罰に処される可能性はなさそうである。


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posted by 内田清隆 at 15:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働問題

2024年02月27日

有名商品(ブランド商品)を広告に使えるか

フェラーリの自動車をあるいはエルメスのバッグといった有名商品を、広告に使うことは許されるだろうか?
非常に難しい問題だ。

商標法
もちろん、有名商品の登録商標を、商標的に使用すれば、すなわち、商品の出所を表示するために用いれば、当然に商標法違反である。
まずは、商標を写さないように、あるいは写すとしても意匠的効果や装飾的効果だけをもたらすようにして商標的に使用しないことは当然必要である。

パブリシティ権
では、商標的に使用しなければ大丈夫なのであろうか。
物のパブリシティ権侵害http://uchida-houritsu.sblo.jp/article/78754293.htmlについては、最高裁が明確に否定しており、一般論としては、心配する必要はないであろう。
もっとも、過去には認めていた裁判例も多数あり、最高裁がパブリシティ権侵害になるといったような、専ら他社商品の有する顧客吸引力の利用を目的とした場合まで不法行為が成立しないのかは明確ではない。
ただ、他人の商品を利用して、そのような広告を作ることは常識的には考えられないであろう。

意匠権・著作権
意匠権については、類似形状商品の製造・販売等が禁止されるだけであるので、意匠登録されている商品を使用しても意匠権侵害にはならない。

では著作権はどうであろうか。
工業製品については、原則として意匠権で保護されるべきものであるため、著作権が認められないとするのが一般の裁判例ではある。
そう考えれば、著作権侵害も心配することはないことになる。

しかし、工業製品であっても創作性があれば美術の著作物にあたるとする知財高裁の裁判例http://uchida-houritsu.sblo.jp/article/164829131.htmlも存在する。その考えによれば、特別な形をした商品の広告利用は、著作物の複製として著作権侵害にあたることにもなり得る。

そのような場合、いわゆる写り込み(著作権法30条の2)として許容されないかが問題となる。
しかし、写り込みは@著作物の利用により利益を得る目的A分離の困難性B著作物が果たす役割などから正当な範囲内といえる場合にだけ許容されるものである。
広告においては、@有名商品を利用して利益を得る目的は明らかであるうえ、A意図的に有名商品を利用しているのであるから分離は極めて容易であり、写り込みとして許容されづらい。

そうなると、個人的には、著作権侵害という結論はあり得ないと思うが、著作権侵害が成立するかについては、学説・裁判例を注視する必要があり、簡単には判断できないというのが妥当な結論なのかもしれない。

不正競争防止法
不正競争防止法2条1項1号により、広く認識されている他人の商品等表示を使用し、他人の営業との混同を生じさせる行為は、違法となる。
一般論としては、他社の商品を広告に利用しても、営業の混同が生じることはないため、不正競争防止法違反にはならないといえるであろう。
しかし、使用方法によっては、誤解が生じることはあり得るため、注意が必要なことは確かだ。
(他人の著名な商品等表示を「自己の商品等表示として」使用すれば同2号の問題になるが、広告では普通、そんなことはない。)


他にも一般不法行為の成立も検討が必要かもしれない。
知的財産権の問題は得てしてそうだが、多数の法律が問題になる上、明確な回答がない場合が少なくない。
明確な回答がなければ委縮効果をもたらし、表現の自由が侵害されることになる。
積極的に立法で解決していくことが重要であろう。

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posted by 内田清隆 at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 知的財産法

2023年11月17日

カリフォルニア州弁護士が教える英文契約書講座

カリフォルニア州弁護士が教える英文契約書講座
というタイトルでYouTubeを始めました。 

willとmayといった助動詞の使い方といった基本中の基本から、


thereinやthereafterといった契約書独特の用語の説明などを、

おもしろおかしくやっています。

「こんな講座、必要としている人いるかな・・・」「誰も見てくれないのでは・・・」という思いもあるのですが、ユーモアを交えながらシンプルに分かりやすくして、軽い気持ちで見ることができるようにという思いでやっておりますので、ご笑覧いただければ幸いです。

軽い気持ちで始めたものの、やってみると意外に手間もかかり、いつまで続くか分かりませんが、しばらくはやっていくつもりです。


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posted by 内田清隆 at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | その他